北島敬三写真展 借りた場所、借りた時間 関連展示:岸幸太「彼の地、飛地」/笹岡啓子「The World After」「Park City」/篠田優「Voice(s)」
オープンギャラリー ・ 交流スペース
開催期間2025年11月29日(土)~ 2026年1月18日(日)

笹岡啓子、シリーズ「The World After」より、2021年
©KEIKO SASAOKA
2001年に北島敬三らによって立ち上げられた「photographers’ gallery」。ギャラリーとしての展示機能に加え、機関誌や写真集の刊行、レクチャーの企画などの、写真メディアに対する批評精神に根差した幅広い取り組みの拠点として多様な写真表現の揺籃の場となっています。本展では同ギャラリーの現・メンバーである岸幸太、笹岡啓子、篠田優の3名の写真家の作品を通じて、70年代後半以降の自主運営ギャラリーの系譜に連なりながらも、なお特異な発信を続ける「photographers’ gallery」の現在をご紹介します。
見どころ
⑴ photographers’ galleryを拠点に、近年、国内外での評価を高める、岸幸太、笹岡啓子、篠田優による「北島敬三写真展 借りた場所、借りた時間」関連グループ展。
⑵ 東京の山谷、横浜の寿町、大阪の釜ヶ崎に暮らす人々の姿を写した「傷、見た目」、それらの街と川崎や名古屋、大阪や広島、那覇や釜山など、各地を行き来しながら街と人の姿を記録するシリーズ「連荘」。本展ではそれらを併せ展覧する「彼の地、飛地」として出品。
⑶ 笹岡啓子による、劇場性を慎重に回避しながら東日本大震災以降の被災地域を記録した〈The World After〉、ならびに出身地・広島の過去の凄烈と現在の静穏のコントラストを公園の中での出来事に見出す〈Park City〉の二つの連作を出品。
⑷ 長野県出身の篠田優が解体直前の旧・信濃美術館解体直前に取材したシリーズ〈Voice(s)〉を、信濃美術館クロージング展以来8年ぶりに当館で展示。
作家略歴
岸幸太
写真家。1978 年、千葉県生まれ。2003 年、東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。2003 年より photographers' gallery に参加。多くの活動に携わるなか、『photographers' gallery press no.14』 (2019 年)では、編集責任を務める。個展、グループ展多数。主な写真集に『welcome』(photographers' gallery、 2004 年)、『ガラクタと写真』(私家版、2014 年)、『Baseball』(私家版、2014 年)、『GAREKI Heart Mother』(私家版、2016 年)、『傷、見た目』(写真公園林、2021 年)、『連荘』(KULA、2021 年〜)。 「VOCA 展 2015」奨励賞、さがみはら写真新人奨励賞(2022 年)を受賞。
笹岡啓子
写真家。1978年広島市生まれ。2002年東京造形大学卒業。2001年よりphotographers’ galleryの創設メンバーとして多岐にわたる活動に携わる。写真集に、生まれ育った広島を「内」と「外」の視点から捉えた『PARK CITY』(インスクリプト)、震災後の東北の地を継続して捉えた『Remembrance 三陸、福島 2011-2014』(写真公園林)、日本各地の海岸線や稜線を写した『Shoreline』1-45(KULA)、など。主な受賞歴に日本写真協会賞新人賞(2010)、林忠彦賞(2014)、東川新人作家賞(2022)等。
篠田優
写真家・映像作家。1986 年生まれ、長野県出身。2021年、明治大学大学院修了。2023年よりphotographers' galleryに参加。主な展示歴に「Long long, ago」(photographers' gallery、2023年)、「Garden | Medium」(Alt_Medium、2025年)、「Fragments of the place 2017-2019」(長野県伊那文化会館、2025年)。主な写真集に『Medium』(塩竈フォトフェスティバル、2015年)、『二つの半島に関するメモランダム(2015-2020)』(sign and room、2020年)、『Fragments of the place 2017-2019』(喫水線、2024年)。主な受賞に塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞(2013年)。