アートラボ2023第Ⅲ期 廣瀬智央 みかんの旅
アートラボ
開催期間2023年11月3日(金)~ 2024年2月12日(月)
長野県立美術館本館2階の「アートラボ」は、視覚以外の感覚も使った鑑賞が可能な「ラボラトリー(実験室)」となることを目指しています。2023年度の第Ⅲ期展覧会では、廣瀬智央を紹介します。
本展では、“嗅覚”という感覚に焦点を当てながら、現在、廣瀬が進めるアート・プロジェクト「コモンズ農園」をご紹介します。
みかんをテーマに感覚的な豊かさの再発見や、新たな価値観を創出していこうとするプロジェクトです。
※会期中にイベントの開催を予定しています。
詳細は決まり次第、イベントページにてお知らせしますので、当館HPやSNSにてご確認ください。
みかんの旅-アート・プロジェクト「コモンズ農園」について
展覧会「みかんの旅」では、廣瀬が和歌山県の紀南地方で現在取り組んでいる長期的なアート・プロジェクト「コモンズ農園」を紹介します。
「コモンズ農園」は、2022年「紀南アートウィーク2022」からスタートしたプロジェクトで、農園をいちから開拓し、みかんなどの柑橘類を育て、収穫したみかんを素材とした作品を将来的に制作するプロジェクトです。
また、参加者とともにみかんを育て、収穫を目指しながら、農園での様々なプログラムの開催や、地域や農業、アートなどの様々な領域を交差させながら、異なる立場、職業、性差の人々がこのプロジェクトで出会い、それぞれの個性を活かし、対話し、あらゆる要素が交差する場所になることを想定しています。農園活動を通して、生きる意味を問い、新しい価値観を見つけ出すプロジェクトです。
みかんが収穫できるようになる頃、農園活動やプロセスにも実がなり、多種多様なみかんの作品も生まれることになります。
紀南アートウイーク コモンズ農園:https://kinan-art.jp/info/11229/
展示作品について(予定)
レモンを使ったインスタレーションや彫刻作品などで嗅覚や触覚など、これまでに鑑賞者の五感に強く働きかける作品を多く制作。
本展は、約7点の作品で構成されています。「みかん」をテーマにした「コモンズ農園」のコンセプトや未来を予感させるインスタレーション、嗅覚を取り入れた彫刻作品を展示予定。視覚だけに頼らないアートの可能性を提示します。
廣瀬 智央 HIROSE Satoshi
1963年東京都生まれ。
89年多摩美術大学卒業後、96年にブレラ美術アカデミーを修了。現在もミラノを拠点に活動をおこなっている。世界各地の美術館、ギャラリーでの展覧会に数多く参加している。
最近では、母子生活支援施設の母子と空の写真を交換し合う「空のプロジェクト」など、社会との接点を意識し、既存のアート活動を超えた長期的なプロジェクトも手がけている。
作品のコンセプトの幅は、マクロな視点で国や境界を越えて、地球全体、果ては宇宙へも広がる。同時に、廣瀬は日々の生活から豊かさや多様性を発見し、異文化間の旅での出会いや対話から共通するささやかな幸せの感覚、生きることへの意味を見出す。そんな日常性を芸術的レベルに移転させ、鑑賞者の五感に強く働きかけるのが廣瀬作品の大きな特徴であり、世界の知覚を刷新する表現をつくりだしている。
廣瀬智央:https://www.milleprato.com/
小山登美夫ギャラリー:http://tomiokoyamagallery.com/artists/satoshi-hirose/
アートラボでの作品鑑賞についてのご案内
〇本展は、“嗅覚(におい)”に焦点を当てた作品および鑑賞方法となります。
匂いを嗅いでいただくことで作品やプロジェクトとの出会いを楽しんでいただく内容となります。
匂いにより体調に変化が生じやすい方は、ご注意ください。
〇本展では、香料(化学合成物)は使用しておりません。
〇作品保護のため、大きい荷物は事前に館内1階のロッカーまたはアートラボ受付へ預けてください。
〇作品との接触を防ぐため、混雑状況により入場をお待ちいただく場合があります。