アート・コミュニケータ
2020年6月18日(木)
みなさんこんにちは!
雨が降ったり暑かったりと、どんな服を着ればいいのか日々悩んでおります。
さて、みなさんは「アート・コミュニケータ」という言葉を今まで聞いたことがありますか?
初めて聞いたという方も多いかもしれません。
実は「アート・コミュニケータ」は、長野県信濃美術館だけではなく、
全国各地の美術館や文化施設、アートプロジェクトに広がっている取り組みなんです。
そこで今回は、他の美術館や文化施設の取り組みについてご紹介します。
「アート・コミュニケータ」は、
東京・上野にある東京都美術館の「とびらプロジェクト」から生まれた取り組みです。
「とびらプロジェクト」という、美術館と大学(東京藝術大学)、そして市民が、
アートから生まれるコミュニケーションを大切にしながら様々な社会問題にかかわっていくプロジェクトに、
「プレイヤー」として参加する市民が「アート・コミュニケータ」で、愛称は「とびラー」となります。
とびラーは、アートから生まれるコミュニケーションを大切にしながら、
人とアートのつなぎ手として自発的に活動していきます。
例えば、自分がアーティストになりきって展示作品を紹介するワークショップを企画したり、
展示作品に用いられている技法を使って缶バッジを作ったり。
他にも、おしゃべりをしながら作品を見てまわるツアーや、美術館建築の面白さを知ってもらうツアーの企画、
筆談だけで作品の感想を共有するコミュニケーションの場を作ったりもします。
とびラーは年齢も職業も、それぞれの興味関心もバラバラです。
そんな集まりだからこそ、様々な視点を持った活動が生まれてくるのではないでしょうか。
そういったとびラーたちの活動によって、
美術館は作品を静かに見るだけの場所ではない、ということが全国の美術館や文化施設に伝わり、
一緒にいろんな楽しみ方を生み出していく仲間として、様々な場所でアート・コミュニケータが誕生しています。
北海道の札幌文化芸術交流センター SCARTSでは、
2018年よりアートコミュニケーターが活動を開始しています。
お隣の岐阜県にある岐阜県美術館でも、「~ながラー」という愛称のアートコミュニケーターが募集されました。
ほかにも、茨城県取手市の取手アートプロジェクトでもアート・コミュニケータが募集になりました。
また、令和3年の開館を予定している青森県の八戸新美術館や、山口県の宇部市でも、
アート・コミュニケータの取り組みが始まろうとしています。
長野県信濃美術館もぜひその流れにのりたい!ということで、今絶賛募集をしているところです(^^)!
ところで、「プレイヤー」として美術館に参加する、と聞いてどんな姿がイメージされますか?
なかなかイメージがしづらいかもしれません。
なので、(美術館での活動ではありませんが、)
私が「プレイヤー」としてアートを楽しんだ体験について少しお話したいと思います。
私は、美術館で働く前に、若手の美術作家さんたちが開催する展覧会のお手伝いをしていました。(仕事ではなく、無償のお手伝いでした。)
作家さんとたくさん話をして人となりを知りながら、
作家さんが表現したいこと・主張したいことは、どんな言葉や展示で伝えられるのか考え、
一緒に展覧会をつくっていきます。
言い換えれば、作家さんや作品を深く理解し、
見る人に「よさ」を伝えるための手法を考えて、実践をしていました。
また、一緒にお手伝いしていたのは20代から70代の幅広い年代の方々。
時にはご飯に行きながら(お酒ものみつつ…)、いろんな話をして、
一緒にアートに関わることを楽しんでいました。
そういった関わり方も、「プレイヤー」として参加するということのなのかな、と思っています。
私の体験は、たくさんあるアートの楽しみ方のうちの一つなのではないでしょうか。
そういった、作品を見る以外の関わり方(楽しみ方)を、
新美術館でもできたらいいなあと思いながら、この文章を書いています。
全国各地のアート・コミュニケータが、今どんな活動をしているのか、ぜひみなさんも調べてみて下さい。
「プレイヤー」として美術館に関わるってこんなかんじなんだ!とイメージが掴めると思います。
下にそれぞれのアート・コミュニケータの活動がわかるホームページをまとめています。ぜひご覧ください。
★東京都美術館 とびらプロジェクト は こちら
★札幌文化芸術交流センター SCARTS アートコミュニケータ は こちら
★岐阜県美術館 ~ながラー は こちら