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【スタッフのつぶやき3】課題について

アート・コミュニケータ

2020年6月15日(月)

こんにちは。
6月も半ば。もう1年の半分が終わろうとしていると思うと時が経つのが早すぎてびっくりしています。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。


今回は、応募の際に提出する課題についてお話しします。


応募用紙と一緒に「アート・コミュニケータ」に応募する動機と、
その背景になっているあなたにとっての重要な体験について書いていただく課題の提出があります。
「え!?これって、自分がいかに美術に詳しいかを専門的な知識で素晴らしく論じたりしなくちゃいけないの…?」
と不安に思った方もおられるのではないでしょうか。
私も文章を書くのが苦手なので、人様にお見せする文章を書くときには緊張してしまいます(この文章を書いている今も、です)。

ご安心ください!文中で作家の名前を5名以上挙げると合格!・・・なんてことは全くありません!(^^)/
おそらく、みなさんにも美術館や芸術を好きになったきっかけがあるはずです。
例えば、「あの展覧会を見たときにこう感じた気持ちが忘れられない」といった体験や、
「よく考えると、小さいころから絵を描くことが好きで家族に褒めてもらえるのが嬉しかったなあ」とか。
改めて思い返すと、小さなきっかけになるような事柄があり(または積み重ねかもしれません)、
今回アート・コミュニケータに応募してくださったのではないでしょうか。

私は幼いころから絵を描くのが好きでしたが、勉強は苦手だったので授業で手を挙げない子どもでした。
みんなの前で、間違ったことを言ってはいけないという気持ちがあったからです。
その後美術系の大学に進学し、大人になって美術館で働き始めてから「対話型鑑賞」に出会いました。
展示室の絵の前に子どもたちと一緒に座ってお話ししながら絵をみます。
最初は緊張してなかなか発言しない子どもたちも、そのうち普段のお勉強の時間とは違うと気付き、
思い思いに自分の感じたことを話し始めます。
ある部分が鳥に見える子もいれば、お空の雲や、笑っている人が見える!など。
物語を考えてお話ししてくれる子もいます。
例えそれが、実際に描かれているものとは違ったとしても
「どこがそう見えたの?おもしろいね!」とわいわいおしゃべりする時間と、子どもたちの笑顔が私は大好きです。
もちろん、学校の算数や社会の問題には答えがあります。
ただ、美術館では少しおかしなことでもみんなで楽しく共有できる「ちょっと特別な場所」なのです。

私は、子どもたちも大人と同じようにお約束(走らない・触らない・大声で話さない、など)を守れば、
自由に絵を見てもらいたいし、自由に感じてもらいたいと思っています。
そういった経験から、子どもたちに美術館を好きになってほしい。
そしてその子たちが大きくなったときに「そういえば美術館って楽しい場所だったな」と思い出して
また足を運んでもらえるとこんなにうれしいことはありません。


これは私が美術館という場所を好きになったきっかけのひとつですが、
私自身の「あの時間、楽しかったな~」という簡単な気持ちがはじまりです。
久しぶりにあの時の子どもたちのことを思い出して、うるうるジ~ンとしてしまいました。
新美術館の展示室で子どもたちとお話しするのが待ち遠しいです。
ちなみに、ゆくゆくは学校との連携「スクールプログラム」にもご参加いただけるとうれしいなと思っています。
興味のある方はぜひお声がけください。


今回の課題ですが、私がお話ししたようなラフな書き方やテーマで問題ありません。
課題を書くために、みなさんもご自身のきっかけを思い出して楽しい気持ちになっていただけると嬉しいです。
また、そういった皆さんの素敵なお話を楽しみにお待ちしております。



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