アート・コミュニケータ
2023年4月1日(土)
アート・コミュニケータ基礎講座、第5回目はゲスト講師に劇団パルを主宰し、芸術文化観光専門大学の助教も勤める田上豊先生をお迎えし、「身体を使ったコミュニケーション」を体験します。
最初は発想のエクササイズ。簡単な指あそびや、じゃんけんのゲームから、身体の動きというものが、いかに思考や既存の概念にとらわれているかを体験します。
場がほぐれてきたところで、次は田上さんを鬼としたイス取りゲーム。田上さんが空いている席に座るのを阻止するため、空いた席に誰かが座り、また空いた席に誰かが座り・・・それを繰り返して、みんなの力で空席を田上さんから守るというルールです。
始まる前はほとんどのメンバーが「簡単では?」と感じていた様子でしたが、始まってみるとあっという間に田上さんに座られてしまい、皆とまどい顔。2度目、3度目と続けても、やはりすぐにイスに座られてしまいます。空いた席にまず誰が座るのか、その次は? 今どの席が空いているのか? 瞬時に判断し、周りと連携しながら席を埋めていくというこのイス取りゲーム、実はかなり難しい・・・?
途中、5分ほど話し合いタイムが設けられ、少し距離が遠い人が座りに来る、座る人は合図をするなどなど、自分たちのルールを作っていざ再開!
最初の内はルールを守ろうとするものの、途中で焦りが生まれるためか、最後はなし崩しに。それでも1回目と比べるとだいぶ長く続けられるようになりました。
一度に色々な人の話しや指示を聞いて応える聖徳太子になるワークを挟み、午前ラストは一つの言葉をジェスチャーで伝えていく伝言ゲーム。最初のお題「もちつき」は見事に伝達されましが、言葉の抽象性が上がると、とたんに難しくなります。言葉を使えないという状況で、どの要素をジェスチャーにするのか・・・。一人目の苦悩と、それを伝達していく人たちのとまどいが、見ているグループにも伝わり、思わず笑ってしまいながらも、自分ならどうする?と始終考えるワークとなりました。
盛り沢山の午前を終え、午後は演劇的なワーク。
3人1組になり、登場人物が3名の短い台本を演じます。渡された台本は、場面設定や人物同士の関係、セリフの一部が欠けている状態のため、まずはどのような場面か、どんな人物なのか、セリフをどうするかを考えます。
しかし、一所懸命に考えた台本は回収され、なんと別のグループが考えた台本を演じることに。
どのグループもなかなかに奇想天外な内容です。場面設定に合う場所を探して、グループごとに練習が始まります。田上さんのアドバイスも入り、ただセリフを読むだけでなく、動きや間の取り方など、少しずつ演出が加わっていきます。
最後は1組ずつ発表。どのグループもそれぞれ工夫を凝らした場所選びや演出で、同じ台本を使っているとは思えないほど違うシーンになりました。
固定概念にとらわれない発想の仕方や、身体の動きや目線などの言葉ではないコミュニケーションのあり方について、体験できた1日になったかと思います。
とうとう基礎講座も残すところ1回。次回は1期生と一緒に、「よいミーティングの方法」を学びます!